先日、京都でART3(宙吊り救助)を行いました。
宙吊り救助(ピックオフレスキュー)に特化した1日コースです。
その中でカラビナに関しての項目について述べます。
要救助者と救助者とが連なって降りる構造となる宙吊り救助ですが、カラビナをどこに掛けるかによって救助者の負荷や要救助者の体位が変わります。
エイト環の時代は、下降器のカラビナを入れる穴が大きかったので、救助者のカラビナと要救助者用のカラビナを同じ下降器の根本の穴に2つ入れることが可能でした。
最近の下降器は、カラビナを入れる穴が一つであるためともすると自分のハーネスにカラビナを掛けて要救助者と連結してしまうことがあります。
その難点は、自分のハーネスに自分の体重に加えて、要救助者の体重も乗ってくるため倍の重量がかかることになり自分自身に掛かる負荷が大きくなります。下降器にカラビナを2つ掛ける分には、重さは下降器事体に掛かるため問題はありません。
また、下降器で自分で降りていく宙吊り救助は非常に大変なため、上部制動で降ろしてもらうのが楽です。
次に要救助者のハーネスのどこにカラビナを掛けるかですが、通常の腰の部分にかけるとエビぞりになってしまうことがあります。
以下の写真では、このエビぞりを防ぐために胸の部分にピックオフストラップを掛けています。
カラビナを一つ掛ける部分を変えるだけで大きな変化があり、ちょっとしたことが違いを産み出していました。