最近のロープレスキューの新しい潮流として、ミラードロープレスキューシステムというものがあります。
従来までは、メインとビレーは別々の器具、例えば、メインにブレーキバー、ビレーにタンデムプルージックをセットして、メインに荷重をかけて、進入者や担架を降ろし、引き上げの時は、メインに倍力システムを設定して、引き上げるというものです。
但し、最近では、新しく出来たMPD(マルチパーパスデバイス、多目的用途の器具)が開発され、メインとビレーがあたかもミラー(鏡)に映し出された、同じようなシステムで、降ろしや引き上げをするという方法があります。
すなわちメインとビレー双方にMPDをセットし、最初のエッジ越えを除き、荷重を2つのロープにかけて降ろしたりあげたりする方法です。
(以下英語ですが、PDFファイルのリンクを張っておきます)
メリットは以下の通りです。
・メインとビレーが同じ設定なのでわかりやすい
・コミュニケーションが容易
・降ろしや上げがスムーズ
・もし一方のロープが切れたときに、発生する衝撃荷重が少なくてすみまた停止するまでの距離が少なくて済む
・ロープがおこす落石が少なくて済む
・人を効率良く使える
・トラブル発生時にすばやく容易に一方のロープにテンションを掛けることが出来き、トラブルを回避しやすい
このやり方を推奨している、カークさんはデメリットを明示していないので、私も明示はしませんが物には、メリットとデメリットがあるということを理解の上お使い下さい。