イングリッシュリーブとノルウェーリーブ ハイライン

ハイランについてのバリエーションは何種類かありますが、

 

今回は、イングリッシュとノルェーの2つのリービングハイラインについて述べます。

 

名前からすると、英国とノルウェー式のハイラインだと思われます。

クートニーハイラインは、カナダのクートニーという街の名前から来ていることもありますし。

余談はさておき

 

2つの違いは、リービングラインのセッティングが大きく違います。

 

reeveの意味は、辞書では、ロープを通す、穴に通してまたは何かに巻いて留めるとなります。

 

イギリス式の通し方、ノルウェー式の通し方2種類です。

 

以下の写真は、ノルウェーリービングです。

但し、変形バージョンです。

 

1つ目はプルージックをイングリッシュのように双方付けた状態にしています。

2つ目は、ロープレスキューでは必ずあるべき、双方からのコントローラインが左側の青の一本しかつけていません。

リバーレスキューのハイラインチロリアンでよく実施する形です。

 

 

 

白のリービングラインの形や動きについて言及すると

ロープの端末がクートニープーリーに止められいます。そのため片側のみからのロープの動きとなります。

 

なお、イングリッシュリーブは、端末がクートニープーリーに止められるのではなく、対岸の支点まで行き

双方向からのロープの動きが可能になるものです。

 

イラストで表すとこのようなかんじです。

 

ノルウェー

 

ーーーーーU

 

イングリッシュ

 

———–U————

 

イングリッシュは、かならずプルージックを双方に付けます。

双方から動かせる仕組みなので、プルージックが片側だけだと対岸の操作員のミスによる落下を防げません。

 

ノルウェーは片側から動かす仕組みなので、基本、プルージックは、片側に付けるだけで操作員のミスによる落下を防げます。

但し、クートニーに結んでいる結び目がとれてしまうなどのトラブルを考慮するならば、前掲の写真のように双方付けることもあります。

 

シンプルかと言われるとそうでない部分があり、どちらかというと付けない方を多く見かけます。

 

このあたり、実際の動きで確かめるのがよいとは思います。

 

ART5では、ハイラインを予定しています。

そろそろ実施しないとおもいつつ、時間が経過しています・・・・

反省

 

 

 

MPDの操作方法 下降とビレーモード

MPDは、ご存じの通り、マルチパーパスデバイス⁽(多目的器具)の略で、一つの道具で下降器、倍力時のプーリー、ビレーと1つで3役をこなす優れものの器具です。

 

今回は、この便利な器具であるMPDの操作について一言申し上げます。

 

それは、下降器モードの使い方とビレーモードの使い方の混同です。

 

下降器モードでの使い方は、レバーを操作してロープを送り出します。

 

 

それに対して、ビレーモードでの使い方では、レバーは全く触らずに、ロープを送り出すことによって器具を操作します。

 

 

ここでのポイントは、レバーを触って操作するかしないかの違いです。

 

整理すると

 

下降器モード

レバー操作あり

ビレーモード

レバー操作なし

 

例外としてMPDを使ったツーテンションシステムとういう運用方法をとることもありますが、この方法でもエッジの出入り口などリスクが高くまたロープの送り出し量が少ない場所では、レバーを触ることなく基本のビレーモードの操作方法でMPDを扱うとMPDの開発者から直接指導してもらいました。

 

メインロープが切れた場合に、即時にビレーが効くか否かということを考えると、レバーに触れずに操作するビレーモードでの操作方法をお勧めいたします。

タンデムプルージックの点検方法

ビレーの定番と言えば、タンデムプルージックです。

BCCRのドロップテストの基準を満たしている2人用の確保方法です。

 

 

但し、それも、そもそもプルージックがロープに正しく巻き付けられているからこそ、摩擦力で荷重を保持することが出来ます。

 

巻き付け方の方法やコツは色々ありますが、今回は、点検方法について述べたいと思います。

 

システムを稼働させる前は、メインラインに吊り点検を行うのと同様、ビレーにも稼働前の点検を実施します。

 

点検方法も色々ありますが、今回は、タンデムプルージックをそのまま2つ引っ張って点検するのではなく、長短のプルージックを個々に引っ張って点検する方法をご紹介します。

 

 

写真 通常の点検方法

 

2つ同時に引っ張ると固いプルージックの場合は、2つあるプルージックの1つだけしか利いていない場合でも、あたかも2つ利いているように見えてやり過ごしてしまう場合があります。しっかり目視や利き具合の感触を確かめれば見逃す場合は少ないでしょうが、念のため1つづつ引っ張って確かめてもそれほどの時間が掛かるわけではありません。

 

写真 個々に引っ張って点検している図

 

最近、私は少しの手間ですが念のため個々にチェックする方法でタンデムプルーの点検を行っています。

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