MPDの操作方法 下降とビレーモード

MPDは、ご存じの通り、マルチパーパスデバイス⁽(多目的器具)の略で、一つの道具で下降器、倍力時のプーリー、ビレーと1つで3役をこなす優れものの器具です。

 

今回は、この便利な器具であるMPDの操作について一言申し上げます。

 

それは、下降器モードの使い方とビレーモードの使い方の混同です。

 

下降器モードでの使い方は、レバーを操作してロープを送り出します。

 

 

それに対して、ビレーモードでの使い方では、レバーは全く触らずに、ロープを送り出すことによって器具を操作します。

 

 

ここでのポイントは、レバーを触って操作するかしないかの違いです。

 

整理すると

 

下降器モード

レバー操作あり

ビレーモード

レバー操作なし

 

例外としてMPDを使ったツーテンションシステムとういう運用方法をとることもありますが、この方法でもエッジの出入り口などリスクが高くまたロープの送り出し量が少ない場所では、レバーを触ることなく基本のビレーモードの操作方法でMPDを扱うとMPDの開発者から直接指導してもらいました。

 

メインロープが切れた場合に、即時にビレーが効くか否かということを考えると、レバーに触れずに操作するビレーモードでの操作方法をお勧めいたします。

タンデムプルージックの点検方法

ビレーの定番と言えば、タンデムプルージックです。

BCCRのドロップテストの基準を満たしている2人用の確保方法です。

 

 

但し、それも、そもそもプルージックがロープに正しく巻き付けられているからこそ、摩擦力で荷重を保持することが出来ます。

 

巻き付け方の方法やコツは色々ありますが、今回は、点検方法について述べたいと思います。

 

システムを稼働させる前は、メインラインに吊り点検を行うのと同様、ビレーにも稼働前の点検を実施します。

 

点検方法も色々ありますが、今回は、タンデムプルージックをそのまま2つ引っ張って点検するのではなく、長短のプルージックを個々に引っ張って点検する方法をご紹介します。

 

 

写真 通常の点検方法

 

2つ同時に引っ張ると固いプルージックの場合は、2つあるプルージックの1つだけしか利いていない場合でも、あたかも2つ利いているように見えてやり過ごしてしまう場合があります。しっかり目視や利き具合の感触を確かめれば見逃す場合は少ないでしょうが、念のため1つづつ引っ張って確かめてもそれほどの時間が掛かるわけではありません。

 

写真 個々に引っ張って点検している図

 

最近、私は少しの手間ですが念のため個々にチェックする方法でタンデムプルーの点検を行っています。

AZTEK(アズテック)の100通りの使い方

AZTEK(アズテック)は、100通りもの使い方があると言われています。

 

 

でも一体、具体的にどんな使い方があるのか・・・・

 

100通りまでは行きませんが、以下に代表的な使い方が掲載されているユーチューブビデオを張っておきますのでよろしければ参考にしてください。

 

 

 

上記に掲載の内容は

 

4対1の倍力
5対1の倍力
ガイライン
調整出来る方向替え
ロードリリースヒッチ
調整できる高取支点
ノットパス
宙吊り救助(ピックオフ)
エッジレストライント
クイックな懸垂降下
トルービレー
アジャスタブルアンカーストラップ
担架アテンダント取りつき
担架スクープ
リッターバイパス

 

また、御覧のとおりAZTEKは、アリゾナエッジテクニシャンキットの頭文字を集めたものです。

 

まだまだ使い方がありますので、折にふれお伝えしていければと思っています。

 

次回は、99番目の使い方(ナインティナイン)として、有名なアリゾナボーテックスの出入りの時にビレーラインを上げておくAZTEKの使い方にしようかと思っています。

 

乞うご期待!

RESCUE JAPANブログ