リバーレスキュー用ワークブーツの中身は?

冬に入り、水が冷たい季節になってきました。

 

冬季の川などの水辺や沢などの山辺での救助や捜索事案に対して

足元の冷えを保護しなければ十分な活動は出来まいかも知れません。

 

そこで編み上げでなくおススメは、リバーレスキュー用ワークブーツとなります。

 

 

https://www.rescue-japan.com/SHOP/834293/834294/list.html

 

ウェットの生地で作られたシューズで保温効果が高です。

 

質問で「ワークブーツの中は靴下が必要ですか?」という質問に以下のように答えています。

 

「基本的に中には、インナーが靴下のようになっているので ’なし’ でも大丈夫です。」

 

 

「但し、より高い防寒性を求めるなら、ウェット生地の靴下をお履き下さい。」

 

古来より、体調管理には、「頭寒足熱」とも言います。

 

寒冷に備えあれば憂いなしということでまとめす。

ありがとうございました。

メインとビレー どっちが前、どっちが後ろ?

以下のような内容の質問を先日頂きました。

 

「同じ強度の支点が開口部に向かって前後にある場合、ビレイの支点を前に持ってきた方がいいのか、それとも後ろに持ってきた方がいいのかどちらでしょうか?」

 

私の回答は、

 

基本は、ビレーが前、メインが後ろです。

メインは倍力を組むのでより多くの引きしろが必要なので後ろがよいです。

 

また、ビレーが前は、ロープの送り出し量を少なくして、メインが切れた場合のビレーにかかる衝撃荷重によるロープの伸びを出来る限り殺したいのが理由です。

 

当然、現場の状況により、これれが変わる場合もありますが、基本は上述の通りです。

 

 

ロープの伸び率

スタッフに質問されて、ロープの伸び率を調べてみました。

 

 

当社での取り扱い11mmロープでの比較となります。

 

商品名 伸び率(300 lb ) 
テンドンスタティク 3.6%
スターリンセーフティプロ 3.3%
HTP スタティック 2.5%

 

比較すると断然HTPの伸び率が低いです。

ナイロン製のロープに比べてポリエステル製のロープの特徴が際立っています。

 

但し、伸びないことのメリットもありますが、伸びないことのデメリットもあります。

それは、万一の落下時の衝撃荷重が大きくなり、リスクが高くなることです。

 

私がメーカーのスタッフと話したときの記憶によれば、ポリエステルで出来たHTPは伸び率が低すぎてヨーロッパのスタティックロープの規格には通らないとのことです。

 

なお、巷でよく聞くロープの3つの分類、スタティックロープ、セミスタティックロープ、ダイナミックロープですが、

3つの性格があるのではなく、2つのグループ分け

 

1.スタティックロープグループ

スタティックロープ、セミスタティックロープ

 

2.ダイナミックロープグループ

ダイナミックロープ

 

と理解していただき、セミスタティックだから中間だと思い使用するのは間違いでリスクが高いのでご注意下さい。

あくまでも落下に対する衝撃は、上記の表の通りスタティク2.5%とセミスタティック3%程度とそれほど変わりはありません。

 

では、ダイナミックロープは?と疑問に思われるかも知れません。

ダイナミックは以下となります。

 

テンドントラスト 11mm

 

静荷重伸縮率 6.1%
動荷重伸縮率 34%

 

となっています。

 

静荷重時の伸び率は、先ほどのスタティックロープの300lb(約136kg)でなく、80kg荷重の場合なので、ダイナミックロープはスタティックロープの58%ほどの重さで倍ほどの伸び率があります。

 

また、動荷重時の伸び率は、first UIAA fallでの基準の伸び率です、ダイナミックのシングルの場合荷重80kgを2.5m程落とした時と思えばおよそのイメージが付くと思います。(およそのイメージと言ったのは、細かい基準がUIAA-101 で定められているためです)

 

動荷重時に34%伸びるとは驚きの伸び率です。

この伸び率が落下の衝撃を大幅に吸収しますが、伸びることは、地面まで伸びるグランドフォールや大幅に伸びてどこかにあたってしまうリスクもあります。

 

ロープの特性、メリットとデメリトを知り安全使用にお役立ていただければ幸いです。

 

 

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